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霊烏路車輌製造 工場日記

模型製作とか実車観察、電気・電子工作、音楽作りなんかについて備忘録代わりに書いていきます。よろしくお願いします。

パンダコルゲッティー

 お久しぶりです。いおんぐりっどです。
最近無駄に更新頻度が高いですね、そろそろ自粛モードにも飽きてきた今日この頃です。
さて、京急バカ一代の私ですが今回はトンネルの反対側の車を作ってみました。

というわけで京成3500形です。友人からとても安く譲っていただいたマイクロ製品をベースに加工しました。
編成に関して特にこだわりはないのですが、せっかく再塗装をするのに製品と同じでもつまらないので3524編成としてみました。

 では早速いつも通り各車を見てみましょう。とはいっても今回は床下は特に手をつけていないのであっさりと、、、
番号順に成田方から紹介するべきか迷いましたが、いつもの京急車に揃える形で上野方からとしています。

モハ3524号車(M2)
海側

山側

上野方の先頭電動車です。補助電源周りと空気圧縮機を搭載しています。更新に際して京急線への乗り入れ対応としたため、運転台側が電動台車のFS-389、中間側が付随台車のFS-089を装備しています。模型では製品の床下をそのまま使用しています。

モハ3523号車(M1)
海側

山側

前述の3524号車とユニットを組むM1系です。主回路周り一式を装備し、海側に主抵抗器、山側に主制御器および断流器が吊ってあります。抵抗器のカバー形状が特徴的な同形式ですが、こちらも製品のプロポーションが良好だったためそのまま用いています。

モハ3522号車(M1)
海側

山側

成田方ユニットのM1系になります。京成3500形では京急の銀千4連などと同様にMM'ユニットが反転して連結される構成のため、基本的に上野方ユニットの各形式と床下配置は同一になります。模型においても動力車であること以外同一のため割愛します。

モハ3521号車(M2)
海側

山側

成田方の先頭電動車になります。3524号車と同一のため割愛します。

 各車紹介も終わったところで今回の加工ポイントをざっくりと、、、
・ワイパー、貫通扉手すり、渡り板の別体化
・前面ガラスをツライチにする加工、およびガラス内側の表現
・パンタグラフのシングルアーム化

まず1つ目の各種別体化ですが、こちらはBONAのP-662「電車用パーツセット06」を使用しました。

既存モールドを削って植えるだけの簡単作業です。便利なパーツが存在してありがたい限りです。

2つ目の前面ガラス加工ですが、こちらは製品のガラスを窓ごとに分割し、嵌め込んだ状態で面一になるようにして固定しています。ガラス内側の表現は同じくBONAのパーツを取り付けました。パーツが鉄コレの構造に合わせた設計のため、取り付けにだいぶ難儀しました。同じ作業をもう1回やりたいかと言われれば否ですね・・・

3つ目のパンタ交換ですが、こちらはパンタをTOMIX0249 PT-7113Bに載せ変えました。しかしながら載せ換えて終わりというわけにもいかず、シングルアームパンタ化に際してヒューズ箱が片側撤去されたためそれらのモールドを削除するという作業が発生します。

こんな感じで配管を削って・・・

再塗装します。ついでにヒューズ箱はGMの京急用のものに置き換えました。撤去するヒューズ箱はそれぞれ山側なので注意が必要です。

製品状態と比較するとこんな感じになります。だいぶシンプルな屋根になりましたね。避雷器は元のパンタグラフについていたものをそのまま流用しました。

さて、一連の作業のあとは車体塗装になります。シルバー塗装はガイアノーツのダークステンレスシルバーを用いています。

赤帯は製品のものを活かしたかったため、赤帯マスキングで銀塗装→艶ありクリア→青帯→窓枠の順で塗ることにしました。青帯はクレオス65番インディブルーを使用しました。
屋根はGM9番ねずみ色1号、冷房装置はGM14番灰色9号でそれぞれ塗装しています。

個人的に理想の色味になりました。黒成分が多い暗めのステンレス光沢がうまく再現できたかと思います。一度艶消しクリアを吹くことで完全な金属光沢ではなく少し膜が張ったような仕上がりにすることができました。この方法は汚損防止コーティングを塗った車などを製作する際にも応用できそうですね・・・


各車紹介でも軽く触れましたが、今回は床下は特にいじらず基本的には製品そのままです。元の造形が的確なため灰色で塗っただけでもGoodですね。台車の造形が特に素晴らしいです。あ、MG抵抗器はちゃんと黄色にしてありますヨ。

この時代にもなって東芝の傘マークを見るとおおっ!って思いますよね。クルマの歴史を感じさせてくれる機器でもあります・・・

 ここでちょっと余談、模型とは直接関係ないですが京成3500形で個人的に好きな床下機器がこちら・・・

ブレーキ制御装置です。レール方向に長い蓋を1個のハンドルで留めているあたりがとてもキュートで推しですw

 閑話休題。全体的な塗装が終わったら表記類を入れていきます。

イーグルスのNo.504、505と富士川のステッカー0826を用いて各種プレート、銘板類を転写していきます。今回は友人から余りを提供していただきました。ちょっと前の2100に引き続き毎度頭が上がりません、ありがとうございます。


 最後の仕上げに前面スカート周りにエアホースや乗務員ステップ、機器箱等を追加して軽くごちゃっとさせたら完成です。

赤・黄・白の3本のエアホースが付くと電磁直通車感が出てきますね。こうして製品ノーマル状態と比較するとだいぶ化けたかなと自負しています・・・京成車ということもあって比較的力を抜いて作業しましたがそれなり形にはなりましたw
行先は4連運用ということで金町線にしてみました。柴又に行くときに乗りましたがのんびりしていて下町らしい雰囲気ですね。個人的に好きな路線の1つです・・・

柴又駅前の今川焼きがおいしかったのでまた食べたいですね、前回行ったときは夜だったので次回こそお昼に訪れて帝釈天の参道にある天丼屋さんにも行ってみたいです。

さて、というわけで自身初となる京成車の製作記事でした。次回も京成車が続く・・・予定なのでぜひお楽しみに!








ところで3500のあと8両どうしようかなと・・・4+2もやりたいけど4+4で京急乗り入れも捨てがたい・・・まあゆっくり考えましょ
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”いつもの”銀千を作る

どもども、いおんぐりっどです。いつもの癖でお久しぶりですって書きそうになって、そういえば数日前に更新したと思い出してやめました。それだけ更新サボってるってことですね、半分くらいは反省しています。

 さて、今回は銀千の8連を作るお話になります。

編成は1137編成ということで、次車区分では10次車に相当します。このグループについては以前1489編成を製作したのでそれの8連バージョンですね。

 それではいつも通り各車から見ていきましょう!
デハ1137号車(M2uc)
海側

山側

浦賀方の先頭電動車です。隣のデハ1138号車とユニットを組み、補助電源装置と蓄電池を搭載しています。模型でも特に目立ったことはせず、MBSA作用装置と補助継電器のみ自作3Dプリントパーツに置き換えてあります。この点については残り7両についても共通事項です。

デハ1138号車(M1u)
海側

山側
浦賀方ユニットの中間電動車です。主回路装置一式を搭載しています。まあほかの銀千のM1系と基本的な配置は特に変わりません。ブレーキシステムの構成上、編成に3両存在するM1系のうち、このM1uのみブレーキ受信装置(BCB)の筐体が大型になっています。主回路およびブレーキ関係のほぼすべての床下機器で自作3Dパーツを使用しています。

サハ1139号車(Tu)
海側

山側

浦賀方の中間付随車です。空気圧縮機を搭載しています。基本的には製品の床下機器をそのまま使いますが、空気圧縮機とその海側に大きく鎮座する第1元空気タンクはそれぞれ枕木方向の車体中央側に寄せるように取り付けることで実車同様としています。

デハ1140号車(M1u’)
海側

山側

中央ユニットの中間電動車です。構成はほかのM1系と同様ですが、BCBの筐体が小型である点、また受給電区分の境界に位置する車両のため、受給電接触器が山側品川方にある点が先述のデハ1138号車と異なる主要なポイントと言えるでしょうか。模型では動力車に設定してあります。

デハ1141号車(M2s)
海側

山側

デハ1140号車とユニットを組むM2系の中間電動車です。こちらも主回路の構成上ではM2系となりますが、電動台車を装備しているのみで、その他自車分の機器以外は持たないため非常にすっきりとした床下配置となっています。

サハ1142号車(Ts)
海側

山側

品川方の中間付随車です。サハ1139号車と同様のため割愛します。

デハ1143号車(M1s)
海側

山側

品川方ユニットの中間電動車です。BCBの筐体が小型である以外はデハ1138号車と同様です。

デハ1144号車(M2sc)
海側

山側

品川方ユニットの先頭電動車です。床下配置はデハ1137号車と基本的には同様ですが、海側の整流装置隣に車内VIS用の行先表示制御器が搭載されています。

 さて、各車紹介も済んだところで、今回はいつも通りの3D祭りですから早速床下機器から見ていきましょう!

はい、早速メインディッシュの三菱製MAP138-15V174形VVVFインバータ装置になります。筐体外形からいかにも三菱といった風貌ですよねwニクイねぇ!
特徴的なパワーユニットのザルや制御アンプ部の遮光板などが立体的に再現できたかと思います。RT-1773形フィルタリアクトルや海側に大きく構える断流器も3Dで出力しましたがいい感じですね。東洋電機製の電装品とは異なり、高速度遮断器(HB)が断流器(CB)の筐体に内蔵となっているため比較的すっきりとまとまっている印象があります。

\もちろん裏側も再現してますヨ!/

さて先ほどの画像でちらっと見えてしまいましたが、こちらは補助継電器箱(ARB)になります。前半でも述べましたが、今回の1137編成では8両すべての補助継電器を3Dプリント品に置き換えてみました。GM完成品に元からついている補助継電器では、各形式(M1,M2,T)のランナーでディテールが異なるためそれの解消を兼ねています。ARBは個人的にもいろいろな意味で好きな床下機器のひとつなので、「吊ってる感」が出せて大満足です。気にいったのでこんなお遊びもしてみたり……


最後はこちら、個人的にはVVVFと並んで目玉(だとおもっています)のMBSA作用装置です。みんな大好きなやつですね。GM完成品のものでも十分すぎるくらいのディテールはあるかと思いますが、今回はさらにその上に挑戦してみました。ハンドルの立体感や、枠と本体で分かれた構成を意識してモデリングしてみましたが思いのほかうまくいったようです。

やりだすとなんでも調子に乗ることに定評がある私ですので、今回も精一杯バカなことをやってみました。半ばおふざけで作ってみましたが最近の3Dプリンタの性能はすごいですね、おふざけを完璧に立体化してくれました。裏側のチリコシや空気バネ配管がつながる空気室がしっかり出力されています。いやぁほんと3Dプリンタさまさまです。ちなみに脇の配管はGMの製品についていた床下機器から切り出しています。


全体的な床下機器を見るとこんな感じ、製品がそのまま使えるものは使って、ディテールを追求したい場所は3Dパーツでといった具合に軽いメリハリをつけています。あまりうるさすぎず程よい立体感になったかと思います。
 

台車周りは前回から標準となった台車排障器を取り付け、そのほかはいつものメニューでスカート裏側を軽くごちゃっとさせています。

3Dネタであとひとつだけ、今回は加工種車にGMの4114を使用したためそのままではSRアンテナがありませんでした。そのためこちらも併せて3Dで設計しました。ついでなので運転台コンソールもサクッと設計して余ったスペースに詰め込んでプリントして取り付けています。

 屋根上はいつも通り色差ししたのに加え、配管止めを色差ししています。配管の被覆が黒っぽい色をしている銀千ではこの色差しがだいぶアクセントになりますね。


 ちょうど2年前に製作した1201編成と並べてみました。同じ三菱電機製の主回路を持つ8Vということで、ある意味”姉妹”のような関係にも見えます。この1201編成も追加工に追加工を重ねようやく今の形に落ち着きました。2年で一体どれだけ手を加えたでしょうか……


 というわけで、「いつもの」銀千を「いつも通り」に作ったお話でした……と締めくくりたいところですが、実はこの編成は個人的に特別でかつ複雑な感情を抱きながら製作しています。
ここからは私情を含んだ駄文となってしまいますが、お暇なら読んでいっていただければ幸いです。

 忘れもしない2019年9月5日のことでした。快特三崎口行き1088SHとして神奈川新町駅を通過した1137編成がトラックと衝突、架線柱を倒し軌道を大きく逸脱する大事故となったのは未だに記憶に新しいものです。
 事故直後、Twitter上では多くの議論が巻き起こりました。私個人として何か発信することはしませんでしたが、それらを傍観することで安全とは何なのかを自分の頭で改めて考えさせられたのを覚えています。当時車両技術の界隈にもう片方の足を踏み入れようとしていた私にとって、印象が強かったのはJR車と比較して京急の車両を称賛する内容があまりにも多かったことでしょうか。自分なりにこの議論を考察してみましたが、私個人としては「京急のクルマは京急のクルマとしてその性能を設計上の過不足なく発揮し、事故の被害を車両サイドとしてはできる限り抑えただけに過ぎない」との結論を出すことしかできませんでした。
 JRと京急では走行する環境が異なる上、車両に要求される条件も全く異なったものになります。私は、車両設計とはその車両に課された様々な条件の中で最大限の安全を実現するものであると考えています。簡単な例として考えても、20m級車体でクラッシャブルゾーンを大きく取ることができるJR車であれば、構体に意図して壊れやすい部分を作り衝突時の衝撃を吸収することで乗客乗員を保護する構造を取るという「解」が生まれ、逆に18m級車体でドア位置などの制約もある京急車では先頭車の自重を増加させ、また先頭構体の強度を高めることで同様に保護するという「解」が導き出されるのはごく普通のことでしょう。どちらが正解、間違いというわけでは決して無く、各社がそれぞれの方法で努力し最大限の安全を追求しようとしています。設計について考える際に、どちらが良い、悪いと言った相対的な視点に固執することの浅はかさ、要求された条件の中でどれだけの安全を取れるかといった絶対的な視点の必要性を知ったのはこの時でした。
 数年前の私ならどうだったでしょうか、きっと京急車を両手離しに称賛し、他社の車を批判する一派に属していたことは想像に難くありません。見識を深めれば深めるほど思考も深まるものです、きっとこの考察も数年後の私が見たら酷く落胆することでしょう。いや、落胆させなければなりません。まだまだ知らないことが多すぎます、毎日が勉強であることも同時に実感させられました。
 付け加えておきますが、もちろん、車両だけで安全を確保することは不可能です。どんなに高性能な電車でも最終的に動かし、止めるのは人ですから、こちらの面でも安全を蔑ろにすることはできません。詳しい発言は事故調査委員会の報告書を待ちますが、この事故が京急、そして各社の”人”に対する考えに一石を投じたこともまた事実です。

 もちろん考え方は人それぞれです、こんな話題を出してしまって不快に思われる方、また考察が気に食わない方がいたらそれはごめんなさい。実はこの辺の話は書くか書かないかだいぶ迷いましたが、数年後の私が見てどう思うか気になったので、今の思考を言語化して残そうと思い書くことにした次第です。どうかご容赦ください。

 様々な観点から安全について再考するきっかけとなったこの出来事、知識のない私にとっては、事故の本質とは異なる車両の分野において稚拙な考察することしかできませんでしたが、間違いなく一生忘れることのない出来事だったように思います。そのような意味で、偶然であり必然ですがこの惨事の主役となってしまった1137編成を記憶に留めようと製作しました。「いつもの」は時として「いつも通り」では無くなるものです、せめて模型では大切にしてあげたいところです……

 ここまで駄文にお付き合いくださった方、本当にありがとうございました。これ以上長く引っ張るのも良くないですから、最後にひとつだけ……

 
 「ありがとう、そしてお疲れ様、1137編成」

2100形車体更新車を作る

お久しぶりです。いおんぐりっどです。なんだかんだで前回の更新から半年近く経ってしまいました。
 さて、今回は今更感の否めないネタですが2100形車体更新車ということで、主に車体側の加工がメインとなりました。GMから既に完成品が出ていますが、それ以上のクオリティを自前で実現できないかと奮闘した記録になりますw  床下ネタは少なめですがお付き合いいただければ幸いです。

 制作する編成は私が2100の中で一番好きな2101編成にしました。現車では車体更新1本目の編成になります。車体更新車が出場した時には前面のけいきゅんマークにびっくりしたものですが今ではすっかり見慣れたものになりましたねw

 いつも通り各車紹介から行ってみましょう!

デハ2101号車(Muc)
海側

山側

浦賀方の先頭電動車で、主回路機器と空気圧縮機を装備する車両になります。これはほかの車でも同様となりますが、模型では補助的な機器の多くを銀千用のパーツで置き換えたほか、空気圧縮機や高速度遮断器(HB)、冷房配電盤などは自作の3Dパーツを取り付けてあります。

サハ2102号車(T)
海側

山側

浦賀方ユニットのパンタ無し中間付随車になります。車体中央の放電抵抗器(RD)は600形の記事などでもご紹介したいつもの自作3Dパーツです。蓄電池箱は銀千のものに置き換えました。

サハ2103号車(Tp)
海側

山側
こちらはパンタ付きの中間付随車になります。補助電源周りの機器一式に自作3Dパーツを使用しています。模型における動力車としました。

デハ2104号車(Mu)
海側

山側

浦賀方ユニットの中間電動車です。構成としては先頭車から空気圧縮機一式を取り去ったような機器配置となっています。細かい点としては、先頭車ではブレーキ受信装置箱(BCB)がブレーキ指令器(BA)を内蔵した大型のものであるのに対して、こちらのMu、それから後述のMs系ではBCB単独の小型のものになっているところなどでしょうか。これは自作3Dパーツで再現しています。また、この車が浦賀方ユニットと品川方ユニットの受給電区分の分かれ目に位置するため、山側の空気ダメの横に受給電接触器(SDC)が取り付けられています。

デハ2105号車(Ms)
海側

山側

品川方ユニットの中間電動車になります。Mu系と基本的な構成は同じとなり、SDCのみが搭載されていない形になります。模型的にはデハ2104号車とほとんど同じとなるため割愛します。

サハ2106号車(T)
海側
山側

品川方ユニットのパンタなし中間付随車です。サハ2102号車と同様のため割愛します。

サハ2107号車(Tp)
海側

山側

品川方ユニットのパンタ付き中間付随車です。サハ2103号車と同様のため割愛します。模型ではこちらは非動力車です。

デハ2108号車(Msc)
海側

山側

品川方の先頭電動車です。600形や銀千10次車〜とは異なりVIS用の行先表示制御器が床下に搭載されていないため、浦賀方先頭車と同様の配置となります。

 さて、各車紹介も終わったところで今回のこだわりポイントを…
 目玉の車体加工は後半のお楽しみとして、まず床下のほうをササッと見てみましょう~

RG6008-A-M形VVVFインバータ装置とフィルタリアクトルです。GM製品に付いてたものが個人的に割と好みの造形だったため、枕木方向で繋げて箱にした上でそのまま使っています。比較的近年の製品の床下なので色差ししてあげれば十分実用に耐えるディテールかと思います。個人的に2100形固有のVVVFのイメージが長らくありましたが、N1000形の更新でもサフィックス違いの兄弟形式が多く見られるようになって、増えたなぁ…と実感する昨今です。

こちらは山側です。目立つものとしてはHBとコンプレッサでしょうか。製品についてるものではディテールが納得いかなかったため、自作データの3Dパーツで再現しています。HBの艤装用枠、コンプレッサのサイドのスリット、配線などが上手く出力できたので満足です。

さてお次はT系の放電抵抗器…と言いたいところですがこちらは以前にも紹介しているので今回は割愛します。どちらかと言うと見ていただきたいのは右隣に地味な感じで佇んでる冷房配電盤のほうでして~、こちらは実車では車体更新に伴い冷房装置が載せ変えられたため同時に取り替えとなりました。以前のものより筐体の天地寸法が短縮され、側面の切り欠きが無くなったあたりが外見上の特徴かと思います。実は今回制作している模型も元々は機器更新・車体未更新車として所有していたものに手を加えているため、実車同様に冷房配電盤も自作3Dパーツで取り替えとなりました。


補助電源周りです。600形4次車以降でお馴染みの三菱のNC-WAT150系のSIVですが、サフィックスCとなるこの形式では600形のNC-WAT150A形とは異なり、三相交流の出力電圧が200Vから440Vに変更されています。外形は同様のため模型では600形4次車で使用したデータを流用して3Dプリントしたものを取り付けています。だいぶ昔に設計したものなので(ディテール的な意味で)そろそろ作り直したいなぁとは思ったり…

こちらはMu、Ms系に搭載されるBCBです。蓋に刻まれた三菱の銘板が特徴的な箱ですね。3Dデータを作成する際にも最大限細かく作り込みましたが、プリンタの性能のおかげもあってうまく出力できたようで満足です。

台車周りは3Dプリントした排障器をつけてより密度を高くしています。それ以外はいつも通りですね。

床下に引き続きいつものメニューで加工したパンタ周りになります。

今回はちょっと気合いを入れて配管止めを少し濃いめのグレーで塗り分けてみました。やはり鉄道模型は上から眺めることの多いものですからこの辺にしっかり手を加えると見栄えしますね。他編成にも展開させていきたいところです…

 さて、ここからがいよいよ今回のメインディッシュとも言える車体周りの加工についてです。

まず車体更新車といえばこれですよね、開閉可能に改造された車端部の側窓です。GM完成品では印刷で窓枠が表現されているものの、自前で制作しようとするとなかなか難易度が高くなります。窓枠については一応サードパーティでインレタが出ているのですが、どうもオーバーサイズ感があって個人的に好みでなかったので今回は塗装で再現しました。
というわけで、、、

\デンッ!白色のヤツ!/
はい、カッティングプロッタです。なんと友人が貸してくれました。本当に感謝ですありがとうございます。

そうと決まればあとはCADでサクサクッとデータを作って……

切るだけですね。超簡単です。シルエットカメオでは、AutoCADなどで書き出し可能なdxfファイルがそのまま読み込めるのでCADで設計して切り出すのに最適ですね。刃出し量3、切り出し強さ(厚み)3、速度1~2くらいで切ってちょうど良かった気がしますが、同様の方法を試される方は各自調整をお勧めします。あ、オーバーカット機能は忘れずにつけてくださいね。
危うく書き忘れるところでした、窓に関してはガラス側に0.3㎜程度のプラ板を貼りつけることで実車同様奥に引っ込ませています。接着が大変でした。
切り出しの際にアイボリーの太帯用のデータも作成したので今回は全塗装することにしました。

車体が全塗装ということでこちらもしっかり加工をしました。元あったルーバーを削った上、シール用紙を塞ぎ板サイズに切り出した上貼り付け、その上から塗装をしています。今のところ塗料の剥がれ等はなさそうです。厚さも概ねちょうどいいかと思います。

お次は屋根周り、更新に伴い2基/両だった排気扇は半減され、各車両で片側が撤去されたため同様に再現しました。元の脚を切り取って穴に差し込んで接着させた後、削るのがいちばん手軽かと思います。

冷房配電盤の話で少しだけ触れましたが、更新に伴い冷房装置が交換されています。どちらも三菱製のもので、左が落成時から搭載していたCU-71G形、右が更新に伴い搭載されたCU71H-G2形です。ファン部分のレール方向寸法が若干大きくなり全長も長くなったことが分かるかと思います。こちらのパーツのみGM車体更新車完成品用の分売パーツを使用しました。冷房装置の外形にはあまりこだわりのない私ですが、さすがに長さが異なるのをそのままにしておくのも納得がいかないのでここだけは投資することにしました。安く仕上げたい場合には銀千用の分売クーラーと元からついていたCU-71Gの整風板を組み合わせて貼り付ける方法もあります。
SR無線アンテナは更新出場直後を時代設定にして、準備工事としました。塞ぎ板は自作3Dパーツで再現しています。穴を開けて差し込むだけなので楽ですね。
運転台のコンソールもついでにサクッと設計したものを印刷して取り付けています。サードパーティからすでに発売されているようですが、これくらいなら自分でデータを起こしてまとめて印刷した方が手軽なのでコスト重視としました。こういう小物類って床下3Dパーツ出力用ランナーの隙間埋めにちょうどいいんですよね〜

最後に今回は客室内にも手を入れてみました。座席を塗り分けてシートの枕カバーに赤色のステッカーを貼り付けましたが、動力車抜きでも7両分の作業となりなかなかしんどかったです……仕事から帰ってきて眠気と戦いながらの貼り付け作業でした、同様にやってみようという方は気を確かに頑張ってくださいね……

 さて、ここまでざっくりと見てきましたが車体更新車たる部分は概ね再現出来たかと思います。床下ばかりいじってる私ですが、たまにやる車体加工もいいものですね、切削や研磨などの技術の再確認にもなります。

 余談ですが、車体を全塗装をしたいい機会ですから個人的感性に基づく京急車の色について少し触れておこうと思います。
個人的に京急車の赤色は暗すぎず明るすぎずが好みなのでGM29番バーミリオンAとクレオス81番あずき色を体積比で1:1程度になるように調合したものを、またアイボリーはGM21番のアイボリーAをそのままでそれぞれ吹いています。さらに塗装車はツヤが命ですからトップコートはもちろん光沢で、粘度を低くしたものを垂れる寸前で止めつつ何度も重ね吹きしています。
これは600形以降の所謂「バルーン顔」の車に限ったことですが、先頭部分のワイパーカバー(N1000ステンレス車では塗装による車号表記部分)はトレジャータウンのTTL852-01を貼り付けています。価格が高い上に貼り付けも比較的難しいインレタではありますが、元々の製品の印刷と比べて格段に見た目が向上するのでおすすめの1枚です。更新車で使われているけいきゅんマークは世田谷車両のインレタを使用しています。今回の2100では友人から余りを提供していただきました。修正で何枚も使っちゃってごめんなさい、ありがとうございました。

塗料のシンナーで脳みそがやられたのか、塗り直し始めたら段々と楽しくなってきてしまい手持ちの2100/N1000形については全編成を塗り直してしまいました。600形については追って施工していきたいと思います……上の画像は塗り直しによって大量消費された塗料の空瓶達です()
実は2101編成含め塗り直し関連の作業は大半を正月休み中に行ったのですが、おかげで正月休みがこれだけで溶けました。あ、コミケのお手伝いは行きましたけどねw


 そんなわけで久々に車体側もしっかりいじってみたらめっちゃ楽しくて時間が溶けたっていうお話でした。今回はあまり現車の床下について細かいことを書かず、模型的な部分に視点を当てて製作記録を書いてみましたがいかがでしたでしょうか。おそらく模型メインの皆様にはこちらの方が読みやすい内容になったのではないかと思います。今後も大規模に車体をいじるような車を作る際にはたまにはこんな記事を書けたらと思う次第です。
今回も最後までお読みくださりありがとうございました。次回は京急の歴史において大きな変化の主役となった”あの”車を作っていく記事になるかと思います。お楽しみに!!







【おまけ】
最近2101編成よく人身やってる気がするしだいぶ派手に壊れてるけど京急さんそろそろお祓いしません?

メトロ6000系1次試作車を作る

どもども。そろそろ冒頭の挨拶もネタがなくなってきたいおんぐりっどです。京急関連で怒涛の3連続ブログ更新をしてしまい少々疲れてきましたが、この記事が一応今回の大量更新のラストになります。
タイトルの通りメトロ6000系ハイフン車の製作になります。実はこちらも件の知り合いからの依頼で作ったものになります。鉄コレをベースに各所を加工して実車に極力近づけてみました。

 メトロ6000ハイフンといえば革新的な営団6000系列の先駆けとして登場し、各種新技術の試験に供された名車であることをご存知の方も多いかと思います。世界初のサイリスタチョッパ制御の実用化に向けた試験のほか、日本で初となるVVVFインバータの現車搭載試験など何かと「初」の技術を多く詰め込んだ車でありまして、まさに革新的だと言えるでしょう。個人的には、京急でもおなじみの三菱の電気指令式空気ブレーキシステムの先駆けとなる形式であることから営団6000と聞くとまずブレーキのことを思い出します。ブレーキについては当時の開発エピソードなどを聞く機会がありましたので後半で軽く紹介させていただこうかと思います。
 今回模型のプロトタイプとしたのは引退直前の仕様ということで、綾瀬支線で活躍していた姿を製作しました。同時期に活躍した5000系3連と仕様を合わせるために台車や主回路、ブレーキ周りが5000系と同等の装備になっている仕様になります。具体的には、制御方式が抵抗制御、ブレーキ方式が電磁直通式に改造された後の姿です。

ざっくりと加工点を整理すると以下のようになります。
①車体ドア部塗装(クレオス35番)・アンチクライマ塗装(クレオスMc211番)
②前面帯嵌り改善加工
③床下機器・前面運転台下機器取り付け(自作データによる3Dパーツ)
④台車加工
⑤屋根色差し・集電装置交換・冷房装置塗装

①車体塗装関連
製品ではドア部分も銀色の塗装で再現されていたため、ドア部分の帯を残すようにマスキングしてクレオス35番 明灰白色で塗装をしました。同時に、前面のアンチクライマについても金属材の違いによる質感を表現するためにクレオスMc211番クロームシルバーで塗り分けをしました。


②前面帯嵌り加工
製品発売当初からTwitterなどで言われていた話として、前面の緑帯部分のパーツの嵌りが悪く、広がっているような状態になっていることが挙げられます。これは車体側の寸法に対して緑帯パーツの内側寸法がわずかに小さいことに起因するようで、今回の加工では帯パーツの内側を強度に気をつけながら削り込むことで広がらずに嵌るよう調整をしました。嵌りがよくなったと同時に外れやすくもなるので接着剤で固定してあります。特に外す用事もなさそうなのでこれでも問題なさそうです。


③床下関連
今回は鉄コレベースの改造ということもあり、製品に特に流用できそうな機器も見当たらなかったためすべての床下機器を自作データの3Dパーツによって表現しています。モデリングにあたって、床下資料が非常に乏しく、またすでに引退後の車両であるため観察に行くこともできずに難儀したのを覚えています。たまたま家にあったとれいんの東京メトロ特集の回に床下写真が掲載されていたので、これを取り込んでトレースする形で3Dデータ製作をしました。抵抗制御車特有の細かい機器や凹凸の多い筐体ばかりで大変でしたが、3両のみの製作だったのが救いでした。
パーツが届いてしまえばあとは取り付けるだけなので非常に簡単な作業です。こちらの京急旧1000形の記事ですでにその細密さは確認した3Dプリンタによる抵抗器の表現もうまくいったようで一安心です。また空気圧縮機などについても、ほかの編成の資料写真をもとに極限まで細密に再現してみました。抵抗器や空気圧縮機などの凹凸の多い形状の機器をしっかり作り込むことで床下にメリハリが生まれ引き締まることがよくわかりますね。

前面の運転台下機器については、詳細な資料が用意できなかったため雰囲気重視でそれっぽい箱をモデリングして取り付けています。電磁直通車っぽさを出すために銀河モデル製の3段配管エッチングパーツも使ってみました。

④台車加工
先述の通り北綾瀬支線での運用開始に伴い5000系のFS-502形台車に振り替えられたため、製品の台車を加工して使用する必要があります。具体的にはブレーキシリンダの削除とブレーキリンクの一部切除になります。実車ではCT車のみ落成時からの台車が改修され使用されていますが、見た目としてはFS-502形とほぼ同様なため模型では3両とも同じ加工をしています。先頭台車にはプラ材の組み立てで排障器を取り付けてみました。前面下部オオイがない形式ですのでいいアクセントになっています。


⑤屋根回り
屋根は配管色差しをいつも通り行っています。パンタグラフについてはTOMIX製のものに交換し、避雷器も別で取り付けをしました。また冷房装置のカバーの色味が良くなかったのでこれについてはGM14番灰色9号で塗装しました。


ざっくり加工点はこんな感じです。今回使用したパーツについてはDMM.makeの私のページで販売をしていますのでよろしかったらご活用いただければ幸いです。
さて、今回は加工ポイントが先の紹介となってしまいましたがここで各車を見ていきましょう。

6000-1号車(CT)
海側

山側

綾瀬方の制御付随車です。制御車ながら集電装置を有しているのが特徴で、床下では主に補助電源装置を装備しているようです。落成当初は試験用に三菱の電機子チョッパ装置を装備していたそうですがこれも現在では撤去されています。3両とも共通ですが、いかにも三菱といった感じの筐体をしたブレーキ制御装置がいいですね。

6000-2号車(M1)
海側

山側

中間電動車です。落成当初から抵抗制御の主制御器(CS)を有する車です。海側に並ぶそろばん抵抗とその反対側側面に艤装されるCSと断流器がいかにも抵抗制御車だなといった外観です。

6000-3号車(CM2)
海側

山側

北綾瀬方の制御電動車です。模型で再現した形態では隣のM1とユニットを組む車になります。蓄電池と電動発電機(MG)などを装備しています。山側のATC関連の機器箱も目立つポイントです。

いかんせん資料が少ないので細かい機器の詳細をお話できなかったのが申し訳ないところですが各車の紹介は以上になります。


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おまけ:6000のブレーキシステムについて

 冒頭で少し述べましたが、6000形では三菱の電気指令式空気ブレーキが用いられています。京急車のMBSA作用装置などでその名前を聞いた方も多いかと思いますが、実は営団6000系世代の電車がその先駆けとなっています。遡ること1960年ごろ、三菱電機と三菱重工共同で電気指令式ブレーキの開発が進められており、制御システムなどの電気的な部分を三菱電機が、弁体などの機械的な要素を三菱重工がそれぞれ担当していました。
 これら新開発の電気指令式ブレーキは大きく分けて2つに分類され、1つは複数の指令線のON/OFFでブレーキステップの指令を行うデジタル式、もう1つは1本の線に流す電流信号の強さで指令するアナログ式でした。このうち前者は営団6000系よりも少し前に登場した大市交30系でOEC-1という名称で採用されました。三菱サイドではMitsubishi Brake system Step by stepの略称であるMBSと呼ばれ、京急のMBSAなどについてもこのMBSの進化形であると言えます。もう一方のアナログ式に関しては自在制御、連続制御を意味するFreqencyから取ってMBFと名付けられ、営団6000系ではこの方式が採用されました。
 営団6000でMBFを採用した理由としては電空協調の演算にアナログ式指令の方が優れていたからだと耳にしたことがあります。やはり電機子チョッパの回生性能を活用したかったのでしょう。黎明期のMBSでは多段式中継弁の膜板不良なども多発しており、整備に難儀したという話も聞きますので当時の営団の選択は正しかったのかもしれません。
 ブレーキの指令は応答性の観点から完全に電気のみで行い、実際に供給する圧縮空気はブレーキの近くで生成するようにと当時の6000系開発時に強い指示が飛んだそうです。これは電気信号による指令を基に電空変換弁(EP弁)で所望の空気圧力を生成し、これを中継弁で増幅し実際にブレーキシリンダに供給する空気を生成する方式ですが、今の電車ではすでに当たり前の装備になっています。
 近年ではこれらの装置の小型化、さらに伝送系の進化と相まってきめ細かで高速な制御もできるようになってきました。特に目を見張るものでは近年開発・実用化された電空一体小型分散式ブレーキ制御装置(Integrarted Electronic Relay Valve=IERV) が挙げられます。これは電空変換弁と中継弁の機械部品、ブレーキ受量器や演算装置などの制御モジュールなどをひとまとめにパッケージ化したもので、筐体のサイズが40㎝四方未満と非常に小さいことから各台車近傍にそれぞれ設置し、これらを高速の伝送装置で接続することで台車や軸単位での細かいブレーキトルク制御を可能になりました。現在ではメトロ1000/2000系などですでに実用化されていますが、このような最新のブレーキシステムの源流も50年前に開発された6000系にあると考えると、現代の車両の根幹をなす名車だったことが伺えるかと思います。

おまけ、おわり
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 さて、長々と書いてきてしまいましたがいかがでしたでしょうか。様々な技術の原点とされつつも今まであまり知る機会がなかった6000系ですが、今回の製作を通してよりその良さが分かった気がします。現車はすでに引退してしまいましたが、この技術を引き継いだたくさんの車両が今も走っていると考えると、やはり車両というのは既存の技術をベースに日々進化していくものであることを強く実感させられます。ただ模型を作るだけではなく、車両を技術的な視点で観察することの楽しさを再認識させてもらえるいい機会でした。また次回も技術的な視点も交えつつ模型のお話ができればと思います。それでは

京急1000形16次車を作る

どもども。この記事に使う写真を準備したところで寝落ちしたいおんぐりっどです。
さて、新鮮な記事ということで今まで作っていないグループの紹介です。
タイトルの通り1000の16次車になるのですが、16次車のシステムは基本的に既存の銀千に滑走防止機能を付加したものとなっています。以前作成した17次車の記事でそれについては解説していますので今回は16次車特有のフィルムラッピングの再現にフォーカスして見ていくことにしましょう。また、その他電装品に関しても従来の銀千を踏襲した構成ですので、こちらについてはこの記事も参考にしていただけると助かります。
さて、今回作る編成は1600番台1本目の1601編成です。1600という番台はもともと1500形で使われていたものですが、少し前に改番により消滅したものでした。私なんかだと1600と聞いたら無条件に1500形を思い浮かべてしまうので1000の番号として使われたときは少々違和感を覚えたのを覚えていますね。ともあれ1000形の新しい顔としてこの番号が復活してくれたのはうれしい限りです。


さて、いつも通り各車のざっくりした紹介から参りましょう!

デハ1601号車(M2uc1)
海側
山側

浦賀方の制御電動車になります。従来の銀千4/6連と同様の機器配置で、補助電源装置と空気圧縮機を搭載しています。16次車での変更点としては先述のとおり滑走防止制御機能が追加されたため、海側第2台車寄りのブレーキ指令器/ブレーキ継電器箱(BA/BR)に滑走防止制御装置(FSC)が内蔵され従来よりも天地寸法が大きな筐体になっているのが特徴です。SRアンテナが2本となっている屋根はちょうどGMから完成品が発売されたためそれの分売パーツを利用しています。以前製作した17次車1201編成も同様に置き換えました。GM分売屋根高いんだけどなぁ・・・

デハ1602号車(M1u1)
海側

山側

浦賀方の中間電動車です。従来の銀千4/6連のM1u1では集電装置が1基のみの搭載となっていましたが、1600番台では2基の搭載となっているところが大きな差異です。一般的な直流1500V電化の在来線用集電装置の集電電流が1000A/基などといわれていますので編成中4基となったこのグループではそれなりの余裕があると言えるのではないでしょうか。床下配置については従来と同様です。

サハ1603号車(Tu1)
海側

山側

浦賀方の中間付随車です。従来の配置を踏襲しており、差異としては補助継電器(ARB)の隣にFSC箱が追加されたくらいでしょうか。

サハ1604号車(Ts1)
海側

山側

品川方の中間付随車です。Tu1と同様に、従来のTs1にFSC箱が追加された以外は特に変化はありません。

デハ1605号車(M1s1)
海側

山側

品川方の中間電動車です。受給電接触器(SDC)がない以外はM1u1と同様なので割愛します。

デハ1606号車(M2sc1) 
海側

山側

品川方の制御電動車です。10次車からの形態として海側第2台車横にVIS用の行先表示制御器がある以外はM2uc1と同様なので割愛します。


機器構成としてはM1u1の集電装置が2基になったこと、滑走防止機能が追加されたことを除けば(模型で再現できる領域としては)従来の銀千6連と同様と言えそうです。
滑走防止機能の追加に伴い大型化されたBA/BR箱および新しく用意されたFSC箱は17次車の製作同様、自作データの3Dプリントで再現しています。


大型化されたBA/BR箱ですが、FSCが内蔵されたため機器名称銘板が3枚になったこと、三菱を主張するメーカロゴ銘板が取り付けられたことで遠目で見ても大きな差異となっています。

従来タイプのBA/BR箱

FSCが追加されたBA/BR/FSC箱

その他電装品周りとしては、15次車からの形態として高速度遮断器(HB)のパッケージの整形色がアイボリーとなっていることでしょうか。HBと隣の断流器(LB)はいつも通り3Dプリントで出しています。特にHBに関しては枠と本体を別々で出すことでこのような塗り分けも容易でいいですね。通常の射出成型のようなプラ製品では絶対にできない芸当なので3Dプリンタさまさまです。



さて、電装品サイドの説明もそこそこに今回の目玉である車体のラッピング再現について・・・

①車体の2色塗装
まず最初に車体をバーミリオンとアイボリーの2色で塗装します。ここまでで仕上げると17次車の全塗装仕様になります。

②銀色になる部分のマスキング
正直これがめちゃくちゃつらいです。様々な太さのマスキングテープを組み合わせたり切り出したりで貼っていきます。

余談ですが、ドア枠のR部分のマスキングをどうしようか悩んでいたところ、不良在庫のお名前シールを発見したためこれをあてがってみるとちょうど曲率が同じくらいだったのでマスキングテープの代用として使用しました。

③塗装
6両分マスキングが終わったら銀塗装をします。いままで缶スプレーのみしか使ったことのなかった私ですが、銀をどうしても細かく吹きたかったので今回はイージーペインタを使用してみました。このため市販の瓶入り塗料が使えたため銀色の表現にも力を入れることが出来ました。ちなみに塗料はガイアノーツの1001番ライトステンレスシルバーにクレオスMc211番クロームシルバーをほんの少しだけ混ぜたものを吹いています。

④めくりの儀~修正・色差し
塗料が乾燥したらマスキングを剥がし、吹き込み個所のタッチアップをします。幸いにも事前のマスキングがうまくいっていたため今回はあまり吹き込みしている場所はありませんでした。また窓枠、ドアのガラス押え部分の銀色がまだ入っていませんのでこれらを色差ししていきます。窓枠については質感に関してそこまでこだわりが無かったので銀色マッキーの細い方で入れています。ドアガラスの押えについては楊枝に銀塗料を載せた状態で淵をくるっと一周させる要領で入れています。本当は烏口とかあるといいのでしょうけれど・・・

すべての色差しが終わってインレタ打ちなども完了したらクリアを吹きます。京急車のクリアといえば光沢とするのが定石とされますが、フィルムラッピングの車は現車でもそこまでの光沢はないように見えるので雰囲気重視で半光沢クリア仕上げとしました。
車体の製作はこのような感じでほとんどがマスキング→塗装→色差しの地道なものとなりました。


最後に16次車からの特徴であるLEDの前照灯を再現します。GMからちょうどLED前照灯を再現した完成品が発売されましたので、こちらのライトユニットを分売で購入して組み込みます。困ったことに新型のライトユニットは旧床下に対応していなかったため、無理やり床板を削り込むことで何とか収めることに成功しました。(写真は1201編成に加工した時の様子)


だいたい加工点の紹介としては以上です。中古品の寄せ集めをもとにあちこち弄って最近の1000を作ってみるといった内容でした。本文中では取り上げませんでしたが、同時に全塗装17次車の1613編成も製作したのをここで少しだけ紹介しておきます。貼と塗、並べると次世代の京急といった感じでわくわくしてきますよね。


記事を書いてる2019年9月現在、1600番台も最終編成と思われる1667編成まですべて出そろい、あっという間に大所帯となってしまったのを実感させられます。これらによって置き換えられた800形を惜しむ声が多いですが、個人的には電車といえど工業製品であり産業機械であると考えていますので新しいものに置き換わっていくのは宿命だと思っています。過去の技術をフィードバックしてより安全で快適な電車を作るのが車両屋の使命なのではないかと考えさせられる世代交代でした。先日の事故で安全の軽視が取り沙汰されている京急ですが、改善すべきところは改善しこれからも独自性のある鉄道であってほしいなぁと思っているところです。

それではまた次回の記事でも個性的な電車を紹介していくつもりなのでお楽しみに~

プロフィール

HN:
いおんぐりっど
性別:
女性
自己紹介:
京急/鉄道模型/床下機器/電気・電子工作/音楽アレンジ作り/同人活動
サークル:霊烏路車輌製造 主宰
Twitter:@kyukon_tech

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